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Zaltair 8800 : ウィキペディア日本語版 | Zaltair 8800 Zaltair 8800(ザルテア8800)とは、1977年にMITS(Micro Instrumentation and Telemetry Systems)の名義で発表されたコンピュータの名称である。同年に開催されたコンピュータ・フェアで広告が配布されたが、広告はアップル・コンピュータのスティーブ・ウォズニアックによるいたずらであり、そのようなコンピュータは実在しなかった。 ==背景== 1976年に最初の製品Apple Iを発売したアップル・コンピュータは、1977年4月にホームブリュー・コンピュータ・クラブの主催で開催されるウェストコースト・コンピュータ・フェアで次の製品であるApple IIを発表すべく、準備を進めていた。同社創業者のスティーブ・ジョブズは発表を同社の存在を世界に知らしめる場と位置付けて真剣に取り組み、展示品の出来栄えにまで神経をとがらせていた〔ウォルター・アイザックソン『スティーブ・ジョブズI』井口耕二訳、講談社、2011年、140-141ページ。〕。一方、同じく同社の創業者で、製品の設計者でもあるスティーブ・ウォズニアックの姿勢は異なっていた。ウォズニアックはいたずら好きで、過去にも卑猥な図柄の入った垂れ幕を卒業式で提示したり〔『アップルを創った怪物』114-117ページ。〕、キッシンジャーを名乗ってローマ法王に電話をかけたりと〔『アップルを創った怪物』149-151ページ。〕、いたずらに関しては実績のある人物であった。ウォズニアックは自社の製品発表をいたずらの場と位置付け、事前から周到に準備を進めていた〔『アップルを創った怪物』278-279ページ。〕。 フェアには多数のコンピュータ関連企業が出展を予定していたが、1974年に世界初の個人向けコンピュータAltair 8800を発売し、当時は著名なコンピュータメーカーであったMITS(Micro Instrumentation and Telemetry Systems)の名は参加社一覧になかった。ウォズニアックはこれに乗じ〔『アップルを創った怪物』279ページ。〕、同社がAltairの拡張版を発売するという設定で、架空のコンピュータの宣伝ビラを会場で配布しようと企んだ。そのころザイログが発売したIntel 8080互換プロセッサZ80を搭載したコンピュータが「ComputerZ」や「Z-Node」のように一様に製品名にZを入れていたことから、架空のコンピュータの名はZaltairとした〔〕。ビラに載せる宣伝文には「BaZic」や「PerZonality」など、Zを使った造語をふんだんに盛り込み、さらにある社の雑誌広告で多用されていた「…を想像してみてください」というフレーズを真似た惹句を考えた〔『アップルを創った怪物』280-281ページ。〕。競合機との性能比較表も掲載し、Zaltairが全ての分野で1位、Altairが2位とされていた。他社機はさらに劣るものとされていたが、実際にはその時点の他社機がAltairより劣ることはあり得ず、ここだけ見ても広告が冗談だとわかるようになっていた〔。 偽の広告であることが発覚した際に自分に鉾先が向くことがないよう、ウォズニアックは仕掛けを施した。ビラにMITS社長の名で発言の引用句を載せ、頭文字をつなげて読むと、Altairの競合機を発売していたプロセッサ・テクノロジーの社名が読み取れるようにした〔『アップルを創った怪物』281-282ページ。〕。さらに足がつきにくいよう、ビラはフェアが開催されるサンフランシスコ・ベイエリアから離れたロサンゼルスで印刷することにし〔、400ドルを投じて8000部を作成した。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「Zaltair 8800」の詳細全文を読む
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